too cute(可愛すぎる)
2
『俺は諦めない』


最後のセリフがそれで、また黙々とカレーを食べていた。


諦めないって言われても…。
本宮の事を男として見た事なかったし
…ホントに面倒くさいな。


「美紗先輩。お昼行きましょうよ。
今日の日替わり、ハンバーグだから競争率高いですよ」


後輩の百合ちゃんがお昼のお誘いに来た。
同じ課に女性がいない為ちょくちょく私の姿を見かけたら声を掛けてくる。


「行こ行こ。ハンバーグ楽しみ~」


お昼になるとほとんどの社員が社食に急ぐ。
人気のメニューはすぐに品切れになる。


「ごめんね。ハンバーグ品切れしちゃった」


社食のおばちゃんが品切れの札を立てていた。
後一歩及ばず。


「残念~。楽しみだったのに。
何にしようかな~。先輩、決まりました?」


近くにあったオムライスとポテトサラダをトレーに載せ空いてるスペースを探す。


「窓際が空いてますよ。先輩」


百合ちゃんが先導して窓際まで行く。
途中でハンバーグのいい匂いがしてくる。
美味しそうー。次回は必ず食べたい。


先に座ってる人に軽く会釈してテーブルに座った。


「お疲れ。オムライスにしたの?」


「お疲れ。ハンバーグが品切れしてた」


斜め前に本宮が座ってた。


「それは残念だったな。ハンバーグ旨いぞ」


そんな事わかってる。美味しそうに食べる本宮をチラッと見る。








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