too cute(可愛すぎる)
「ただいま」


「おかえり」


珍しく本宮が先に帰ってた。


「ご飯は?」


「まだ。美紗を待ってた。着替えてこいよ」


キッチンに行くと本宮がコンロに火をつけている。


「何?」


「寄せ鍋」


鍋ごとテーブルに持って行く。
湯気が美味しさを二重にさせている。


「美味しそう。いただきます」


「味、大丈夫か?」


「バッチリ。美味しい」


10月に入り夜は涼しくなった。
ちょっとヒンヤリする今日みたいな日はお鍋がちょうどいい。
止まらない箸に段々と満腹になってた。


隣でビールを飲む本宮に寄りかかる。


「いい壁があった」


「俺は壁か?」


「あったかい壁」


本宮が私の肩に腕を回す。


「カッコいいよね。あの俳優」


テレビに映ったイケメン俳優。


「…」


無言でビールを飲む本宮。


「ね?」


「あの女優、可愛いよな。付き合いたい。キスしたい。抱き締めたい」


「…」


「な?」


「…趣味悪いね。本宮」


「そっちが最初に言ってきたんだろ」


「もういい」


本宮から離れてソファーに座った。








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