too cute(可愛すぎる)
「楽しかったな」


みんなと別れて本宮と二人になった。


原口さんがロックを歌えば吉田君がバラードを歌う。百合ちゃんがマラカスを持って盛り上げてた。


みんなと別れて気が抜けたのか今頃になってフラフラしてきた。


「タクシーで帰るか?」


「いい。歩く」


「飲みすぎ。カラオケ店でも飲んでただろ」


「いいでしょ。飲みたかったんだから」


言い訳をするように強めに言った。
あの状況で飲まなきゃいられなかった。
山崎さんと百合ちゃんに冷やかされて。


そんな私の手を取り繋いだ本宮。



「…恥ずかしい」


手を外そうとしたらギュッと強く握ってきた。本宮の気持ちがギュッとした手にあるみたいでドキドキする。


「いいだろ。繋ぎたいんだから」


そう言って私から離れ繋いだ手を水平に持ち上げた。


「ちょっとー」


私から本宮に近づき手をおろす。


フフフと笑う本宮。


「慌ててる、美紗」


「酔っぱらってるの?」


「酔ってませーん」


冗談っぽく言ってくる、子供みたいな笑顔で私を見る本宮になにもかもよくなってくる。


「酔っぱらい。さっさと帰るよ」


呆れた口調で返して少し本宮の隣に近付いて歩き出した。







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