too cute(可愛すぎる)
帰り着いたのは10時過ぎだった。


考えてみれば初めてのデートかもしれない。


あっ、そうだ。


玄関の靴箱の上のスペースにさっき買ったネコの置物を置く。二匹を並べて。


初めて本宮から貰ったプレゼント。
お互いお金を出しあったけど。


「風呂入るから」


「うん」


「一緒に入るか?」
「入らないから」


「即答だな」


最近の本宮の決まり文句になってる。
明るいところで裸を見られるって想像しただけで恥ずかしい。


「美紗ー」


お風呂場から私を呼ぶ本宮の声。


「何?」


「ごめん。バスタオル忘れた。持ってきて」


「わかった」


本宮の部屋からバスタオルを探して持って行く。


「持ってきたよ」


「サンキュ」


お風呂場のドアをガバッと開けた本宮の上半身が目に入る。


開けるって思わないから慌ててバスタオルを投げてしまった。


「投げる事ないだろ」


拾い上げながら私に文句を言った。


「さっさと入りなよ」


「一緒に入る?」


「入らないっ」


バタンとドアを閉めた。








< 79 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop