too cute(可愛すぎる)
髪を切りながら本宮の家族の話をしてた。


「お父さんってどんな人だったの?」


「無口だけどよく笑ってた。母さんがいつもしゃべってそれ聞いて笑ってた」


「本宮の笑い上戸はお父さん譲りなんだね」


「そう言われればそうかもな。子供の頃、父さんの膝の上座ってテレビ見て父さんが笑えば俺もつられて笑ってた」


あげていた髪をおろしてハサミを入れた。


「だいぶ、軽くなっただろ?」


「うん。イメチェン出来たかな?」


「バッチリ」


シャキシャキとハサミの音を立て仕上げていく。


重いって感じなかったけど髪を切ると頭が軽くなる。心も軽くなったみたいにウキウキする。


胸のちょっと上にあった髪はアゴのラインまでになった。


「前髪はどうする?」


「少し切ろうかな」


前に来た本宮が私の顔は見ないで髪を見ている。真剣な本宮の顔をチラチラと見た。


髪をすくいあげハサミを入れたと同時に軽く目を閉じる。


「キス、待ってるみたい」


フフと笑う本宮に目をパッと開けた。


「ムダ口はいいから」


「はい。はい。お客様」


前髪を切り終わり私の正面に立ち全体的に見る。


「出来上がり」


鏡を私に渡して感想を待っている。
頭を横に振り左右を確認する。


「うん。バッチリ。ありがと」








< 82 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop