too cute(可愛すぎる)
「どこまで歩くの?」


後もう少し。って本宮が言ってからだいぶ歩いた。


「もうすぐ」


ずっと坂道を登って歩いて来た。
ちょっと息が絶え絶えしている。


展望台かな。
公園にしては遊具が見当たらない。


「疲れたー。それにしても歩いたね。30分くらいは歩いたね」


「ここから見る夜景を見せたかったんだ」


フェンスの所まで近付く。


街の灯りが目の前に広がる。


「…凄い。綺麗」


言葉がちっぽけになる程、綺麗すぎる。


遠くで電車が走ってる。
一つ一つの街の灯りにそこには家族がいて幸せがあってって考えたら感動してきた。


「来たことなかった。こんなとこがあったなんて知らなかったし」


「俺もたまたま知ったんだ。マンション探してて近く通った時に」


「今のマンション探す時に?」


「美紗に住もうって言う前に一人暮らしのマンション探してた。その時に」


「いい物件じゃなかったの?」


「物件は良かったけど…美紗と住めたらなって考えてたからやめた」



‥そうだったんだ。
私と住みたいって言ったのは家賃が安くなるからとばっかり思ってた。


好きだって言われた時は面倒だなって思ってた本宮の思いも今となれば嬉しいに変わってる。
そんな風に私の事思っててくれたなんて。


心って不思議だなと思いながら夜景を眺めた。






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