杉浦くんの手と私の手。
私は子供みたいに怒る杉浦くんが面白くてクスクス笑い自販機のボタンを押して杉浦くんに言った。


「私、知ーらない。杉浦くんが嘘つくからいけないんでしょー?」


「うっ…」


杉浦くんは半泣き状態でその場にしゃがんだ。


私も買ったばかりパックジュースを持って杉浦くんと向き合うようにしゃがんで微笑んで見せた。


杉浦くんは、少しムッとしたように私を見ている。


私はそれがまたおかしかった。


「杉浦くん。困った人、助けてたんでしょ?」


私がそう言うと杉浦くんはプイッとそっぽを向いた。


図星みたい。


きっと誰かの落し物か何かを探していたんだろう。


私はクスッと笑って、杉浦くんの少し汚れた頬を自分の手でこすって言った。



「お疲れさま」


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