杉浦くんの手と私の手。
そう、こういうこと。


あやちゃんはなっちゃんに対してだけ、優しいのだ。


あやちゃんの前ではタバコを吸わないし、なっちゃんが普通に毒舌吐いても怒らない。


とりあえず、なっちゃんには甘々なんだ。


だから私も杉浦くんも、なっちゃんが現れたときに救世主が現れたっと思った。


私は何の気なしにあやちゃんにたずねる。


「ねぇ、何であやちゃんはなっちゃんにだけ優しいの??」


あやちゃんはキョトンとして言った。


「そりゃあキヨ。俺だって彼女には優しくするぜ?」
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