杉浦くんの手と私の手。
なるほど!


ショックはショックだったんだ!


私はそれがまたおかしくてニヤッと微笑む。


杉浦くんは訝しそうに私を見つめた後、自分が何を言ったか気付いたらしく、またもや顔を真っ赤にして言いどもる。


「い、いや!その…ショックっていうか、こう、教えてくれてもよかったのにぁ〜っと…」


私はそんな杉浦くんが面白くてクスクス笑いながら席につく。


そして今だ言いどもっている杉浦くんを、机に突っ伏して見つめる。


杉浦くんはやりにくそうに目を細めて言った。


「な、なんだよ」


「別に〜。杉浦くんが可愛いなって思っただけだよ」


杉浦くんは顔を真っ赤にしてうつむいた。


そしてしばらくして呆れたようにため息をついて言った。


「マジで性格変わったよな。最初はもっと純粋だったぞ」


「今でも純粋だよ!ただ思ったことを口にしちゃうだけ!」


純粋。


そんなのは全く私には当てはまらない言葉。


前の学校では1度も言われたことない。


だけど杉浦くんに言われるとすごく嬉しいよ。
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