杉浦くんの手と私の手。
右手の甲にはもう消えかけて白くなった丸いあとがある。
杉浦くんは少し考えて言った。
「これ…火傷のあと?」
私は頷いた。
もう涙は流れていない。
私は口を開いて言った。
「根性焼き。父親にされたの」
杉浦くんは何も言わなかった。
だから私も話を続けた。
「父親って言っても血は繋がってないけど。小さいときから暴行もされたし性的虐待もされてた」
杉浦くんはなおも私を見つめたまま何も言わない。
私は自分の右手を見て話を続ける。
「高校に上がってすぐ、右手の甲に火のついた煙草を押し付けられた。私は何でこんなことをされなくちゃいけないのか理由が分からない。だから私、火傷を冷やしながら思ったの。人の心が聞こえれば良いのにって」
私は右手の甲をまたこすりながら言った。
「それからなの。この火傷あとを隠さないと、私に触れた人の心の声が聞こえるようになったのは」
杉浦くんは少し考えて言った。
「これ…火傷のあと?」
私は頷いた。
もう涙は流れていない。
私は口を開いて言った。
「根性焼き。父親にされたの」
杉浦くんは何も言わなかった。
だから私も話を続けた。
「父親って言っても血は繋がってないけど。小さいときから暴行もされたし性的虐待もされてた」
杉浦くんはなおも私を見つめたまま何も言わない。
私は自分の右手を見て話を続ける。
「高校に上がってすぐ、右手の甲に火のついた煙草を押し付けられた。私は何でこんなことをされなくちゃいけないのか理由が分からない。だから私、火傷を冷やしながら思ったの。人の心が聞こえれば良いのにって」
私は右手の甲をまたこすりながら言った。
「それからなの。この火傷あとを隠さないと、私に触れた人の心の声が聞こえるようになったのは」