駆け出し☆陰陽師!!
どれくらい経ったんだろうか…
まぁ、そんなに経っていないことは太陽の角度とかでわかるけど
俺の体感的にはもうすでに二時間も三時間も経ったような感覚だった


「…お前、何故あれに追われている」


口を開いたのは相手だった
鈴が転がるような声とはよくいったものだ
彼女の声はまさにその鈴が転がるような声だった


「…お前には、あれが見えているのか…?」


まぁ、その答えが妥当なところだろう
もし見えていないとすれば、俺は一人で何やら必死の形相で走っている痛いやつではないか


「…まぁ、一応」


「ふーん…」


彼女はそれきり話さなくなった
…いや、まだ十分とかしか経っていないけど…
俺にとってこの沈黙は結構苦しいもので…


「あ、あのさ…君ってもしかして…妖とか霊の類い…なのかな…?」

もしかしなくてもそうだろ
青い髪に紅蓮の瞳なんて、アニメや小説なんかでも出てこない
それが現実に居るわけがない
居るとすれば妖や霊の類い、または髪を染めてカラコンを入れた派手なやつだけだ


「…どちらともちがう」


彼女はふいっと顔をそらして歩き出した、帰るのだろうか?
そんな俺などお構い無しにぐいぐいと進んでいった彼女は突然に振り替えって


「…おいで」


と手招きをした
…ついてこいと…?
まぁ、今帰ったところで誰もいないだろうし…少し位なら…
そう思って俺は足を進めた


「君はさっきどちらとも違うって言ったよね?それって」


「後で答える、今は黙って」


聞こうと思ったら黙れの一言で一刀両断されてしまった
以外にショックだぞ…?

まぁ、そんな俺の心情など知るよしもない少女はどんどんと足を進めていくわけで、引き離されないように必死について行っていると段々見慣れすぎた風景が目にはいった
あれ…ここって


「うそ、だろ…?」


俺ん家じゃん…
なんでこの少女が知ってるの?
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