君に咲く花火
「入れるか?」

メオが小瓶のふたを取ろうとするのを、
「ううん、大丈夫」
と、すかさず止めた。

辛いのは苦手なんだ。

ソムチャイは普段は辛い味にしているんだろうけど、勧めても入れなかった。

・・・合わせてくれてるんだ。
そう思うと、また少しドキドキした。

微笑んでいたメオが、入り口に視線をやる。

そして、その顔が一瞬で固まった。

眉をひそめて、唇をひきしめる。

「?」

不思議に思って振り向く。

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