君に咲く花火
・・・よし!

「お父さん、いいんですか?」

枝豆を持ったお母さんが、あきれ顔でやってきた。

・・・ム。

大ボスはこっちか。

「大丈夫だって。ね、お父さん」

私はお父さんの顔を見てにっこり笑う。この笑顔がお父さんは大好きなの、知ってるんだ。

「ああ。お父さんだって男だ。一度言ったことは撤回しないぞ」

そう言ってうなずくお父さんを見て、私はお母さんに微笑む。

肩をすくめたお母さんは、
「はいはい」
と言って乱暴に枝豆を置くと、台所に戻って行った。


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