君に咲く花火
「でも、果凛ちゃんのええとこはな、だいたいが感動して泣いてるっちゅうことやな。悲しくて泣いてるとこは見たことないわ」
「へぇ・・・。そうなんですね」
言われてはじめて気がついたけど、そういえば日本にいるときも悲しくて泣いてはいないような気がする。
「果凛ちゃん、数か月前にソムサックとの結婚決めたやろ? あれかて、ほんまスパーッと決めたんや。まったく悩んでなかった。まるで“旅行にいってきます”っていう言い方で“結婚します”って事務所で宣言したんやで」
「勢いで決めたんじゃないでしょうか?」
カバンを棚に戻しながら、私はそう言った。
「そうかな?」
由衣さんが私の方に体ごと向けた。
「果凛ちゃんは勢いで決めたりなんかしーへんと思うわ。むしろ、芯が強いんやないかな」
「へぇ・・・。そうなんですね」
言われてはじめて気がついたけど、そういえば日本にいるときも悲しくて泣いてはいないような気がする。
「果凛ちゃん、数か月前にソムサックとの結婚決めたやろ? あれかて、ほんまスパーッと決めたんや。まったく悩んでなかった。まるで“旅行にいってきます”っていう言い方で“結婚します”って事務所で宣言したんやで」
「勢いで決めたんじゃないでしょうか?」
カバンを棚に戻しながら、私はそう言った。
「そうかな?」
由衣さんが私の方に体ごと向けた。
「果凛ちゃんは勢いで決めたりなんかしーへんと思うわ。むしろ、芯が強いんやないかな」