君に咲く花火
「そうできたらどんなにいいか! なんだか、この島の時間の流れもみんなのやさしさも、全部がぴったり当てはまっているかんじがするんだよね」

そう言ったとき、向こうからソムチャイが歩いてきた。

「実羽、今日はなにする?」

同じように顔を崩して笑顔のソムチャイ。
ほんと、この兄弟はそっくりな顔。

ソムチャイは時間があるたびに、私を案内してくれている。

そして、そのたびに私はなぜかドキドキしてたり・・・。

「今日は、プールで泳ごうかなって」

ホテルにある小さなプールにまだ行ったことがなかったので、今日こそは、って思ってたんだ。

けれど、ソムチャイは首を横にふると、
「もっといいとこ行く」
とソムサックそっくりに、ニッと笑った。

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