君に咲く花火
午前の日差しを浴びて、まばゆく光っている大仏は迫力があった。

日本のような神々しさがあるかといえば、そういうんじゃない。

インパクト勝負ってかんじ。

階段の下で靴を脱ぐと、私たちは階段をのぼった。
すでにコンクリートが熱せられていて熱い。

先をのぼるソムチャイが何度も私をふりかえってくれる。
目が合うたびに、目じりを下げて私を見た。

たぶん、今まででいちばん幸せな心。

ソムチャイ、私、好きになっちゃった・・・。
心でつぶやいてみる。

言葉にすれば、現実になっちゃうから。

ようやく階段の頂上まで来るころには、かなり足が疲れていた。
息もあがっていて、汗がふきだしている。
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