君に咲く花火
持ってきたペットボトルの水を飲んでいると、
「エライ、実羽」
そう言って、ソムチャイの右手が私の頭をポンポンとたたいた。

もう、ヤバいって。

全身がなぜか一瞬震えた。

それを悟られまいと、私は大仏を見上げた。

「すごい、近くで見ると全体が見えない」

「そう、大きい。だから、ビッグブッダ」

「ほぇー」

すっとんきょうな声をあげて見上げる。

ぽかんと、口が開いてしまう。

「頭の後ろの丸いの、見る」

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