君に咲く花火
「え?ちょっと待って」

近すぎて全身が見えないので、階段のところまで下がって確認。
大仏の頭部のうしろに同じく金色でできた丸い輪っかがあった。

それは水車のように見えた。

左右に羽のようなものが見えたが、よく見たらそれは龍らしい。

「これ、2年前作った。みんなでお金集めたよ」

「へぇ。そうなの?」

「神様のためならマイペンライよ」
とても自慢げに言うソムチャイを見て、
そうか・・・彼は外国の人なんだ、と改めて思った。

人種や言葉だけでなく、宗教や考え方も私たちは全然違うんだな、って。


そして、人を好きになるのに、そんなのは関係ないんだってことも知った。

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