君に咲く花火
体に力が入っているのを感じて思わず苦笑。

・・・しっかりしなきゃ。

大きく力を抜いて、ウアンに微笑みかけてみる。

一瞬、驚いたような顔をしたウアンがさっきよりもニヤけた表情をつくった。

私も、少し歯を見せて斜め下から見上げるようにウアンを見つめ返す。

ソムチャイもメオも部下の男も、なにか言い争っていて私たちを気に留めていない。

私は、小さく指で店の奥を指した。

ぽかんと口を開けたウアンが、チラッと部下の男を見るとすぐに私を見てうなずいてみせた。

足早に私は店の奥へ行くと、あたりを見渡した。

いそがなきゃ!

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