君に咲く花火
首を振ってそれを示すと、
「Oh、・・・housetop」
と言い換えた。

上で、ハウストップ・・・。

「あ、屋上だ。てか、屋上あったんだ? どっからのぼるの? Where?」

尋ねながら、日本に戻ったらちゃんと英語を習わなきゃ、と決意を新たにした。

教えてもらった従業員専用の階段を登っていくと、屋上に出た。

屋上はすでに日の光に満たされていて、目が開けていられないほどの反射。
その向こうに、小さな建物が見えた。

屋上に、ひとつ家を建てたかんじだ。

ドアをノックすると、すぐにソムサックが顔を出した。

「実羽ちゃん」
驚いた顔をする彼に、私は事情を説明した。
< 188 / 388 >

この作品をシェア

pagetop