君に咲く花火
「あ、あの…なにか勘違いしてません?」

人差し指を手にあててウィンクをしてくる渡辺社長。

「言わなくていい。僕だってマジメとは言えないからね。気をつけていっておいで」

「あのー?」

そう言ったが、もう手を軽くあげて、笑い声を出しながら歩いて行ってしまった。

なんなの、もう。

後姿をしばらく見ていたが、仕方なく私は歩き出した。

たくさんの外国人が歩いている。
やっぱり身長が高い=足も長い、のか、どんどん追い越されていく。

必死で歩いてみると、すぐに汗だくになってしまった。

この島、大好きだけどいくらなんでも暑すぎ。

住んでる人は、だんだん暑さを感じないようになってるのかな。

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