君に咲く花火
店からでるとふたたび日射地獄。

でも、なんだか目的を果たせてすっきりしている。

・・・ソムチャイ、気に入ってくれるかな?

このゾウを見るたびに、私を思い出してくれるかな・・・。


ドクン。


胸がひとつ音を打った。

そう・・・、彼がこれを眺めるころには、もう私はこの島にはいないんだ。

「ソムチャイ・・・」

思いが言葉になりあふれた。

たった数日で、人は恋に落ちることがあるの?
それとも錯覚?
でも、今こうして現実にソムチャイの存在がどんどん大きくなってゆく。

ため息。
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