君に咲く花火
いかんいかん、また暗くなるとこだった。

大股で私は歩き出す。

ちょうど向こうから大きな黒い車が向かってくるところだった。

道の端に寄り、行き過ぎるのを待つ。
車はスピードを落として私の横へ。

そして、急にキュッと音をたてて車体が止まると、後ろのドアが勢いよく開く。

なにか袋のようなものが見えたかと思うと、

「え?」

私の視界は真っ黒になった。


袋をかぶせられた!?

なにか短く怒鳴るような声がしたかと思うと、ひょいと体が地面から浮かぶ。
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