君に咲く花火
とりあえず指さされたほうへ歩みをすすめる。

床が絨毯のようにフカフカ。
歩いていても楽しい。

しばらく歩くと、上部に“A1”とか“C2”という表示と矢印が出てきて道がわかれていた。

「どっちに進めばいいんだろう」

とりあえず、近くの人に声をかけてみたが、
「我非是日本人」
と、中国語のような言葉で言われてしまった。

そっか、もう日本人だけがいるとは限らないんだ・・・。

不安になって、キョロキョロしていると、
「どうかした?」
と、メガネの女性に声をかけられた。

20代半ばくらいか、海外に行くにしては軽装で、小さなポシェットのようなものを持っているだけだった。
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