君に咲く花火
ようやくそこで目が完全に覚めた。

そうだ!

買い物の帰りに、私は・・・。

記憶が急に戻り、ぶるっと体が震えた。

「どこ・・・?ここ・・・」

コンクリートの床。
天井の小さな蛍光灯で照らされた部屋は、薄暗かった。
手錠はいつのまにかはずされている。

「だいじょぶか?」

突然後ろで声が聞こえて、私は悲鳴をあげて前に四つん這いで逃げ出した。

「おどろかせ、たか?」

おそるおそる振りかえると、そこには鉄格子があった。


あらためて見回すと、私がいる場所には周りにそれがあるようだ。
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