君に咲く花火
・・・閉じ込められた?

鉄格子の向こう、椅子に座った女性が私を見ていた。

「あ、あなたは・・・?」

「名前、アイス」

30歳くらいだろうか、長い髪を手でかきあげながらボソリと言った。

「実羽、体、へん、ないか?」

「あ、えっと・・・」

自分の体を見てみる。

暴れたせいか、手首のあたりが少し痛かった。

「飲む」

アイスは、そう言うとコップに水をそそいで、
「これ、ミネラルウォーター」
と鉄格子越しに、私に差し出した。

< 225 / 388 >

この作品をシェア

pagetop