君に咲く花火
声が小さくなってるし。

ウアンがなにか私に言った。
表情からして、強気なことを言ったのだろう。

アイスが、
「お前、ここにいることみんな知らない、ボス言った」
と通訳をする。

「・・・っ」

言い返したいけど、本当のことすぎて言葉が出てこない。

私の表情に満足したのか、ウアンは床につばを吐くとそのまま出て行った。
アイスも続いて部屋を出て行こうとする。

「ちょっと待ってよ。ここから出して、ねぇ!」

こちらを振り向こうともせず、アイスはいなくなった。

「ねぇ、ねぇってば!」

叫ぶ声も、遠ざかる足音でそれがもう届かないことを知る。
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