君に咲く花火

4

ふと、目が覚める。


なぜか、すぐに自分がいる状況が理解できた。

『人は順応するもの』

この間読んだケータイ小説に出てきた文章が頭に浮かび、
「いやいや、順応しちゃいけないし」
とつぶやくと、すぐに体を起こした。

あれから何時間たったのだろう。

今が朝なのか夜なのかもわからない。

耳を澄ますと、時々ウィーンという機械のような音が真上から聞こえた。

空調システムなのかもしれない。

足音が聞こえた。
この音で目が覚めたのかも。

ゆっくりとまるで音をたてないようにしているかのような音。


静かにドアを開ける音。
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