君に咲く花火
「ウアン、実羽、売る」

「・・・売る?」

言われた意味がわからなくって、私は尋ねた。

「ここ、お金返せない家の女の子、閉じ込める部屋。買う人見つかったら、実羽、売る」

改めて部屋を見回す。

鉄格子の中にトイレ。
確かに、私だけのためにこの部屋を作ったとは思えない。

ウアンは女の子たちを売る仕事もしていたんだ・・・。

「私、売られちゃうの・・・?」

「そう」

「・・・そうなんだ」

ずるずるとコンクリートの床に座り込む。

実感がないけど、アイスが言うように私は・・・。

< 242 / 388 >

この作品をシェア

pagetop