君に咲く花火
「・・・もう終わりにしようよ。こんな悲しい連鎖はやめようよ。アイスがいなくなっても、ウアンはまた新しい部下を見つけて同じことを繰り返すかもしれない。でも、アイスの心はもうラクにしてあげようよ」

「うわああああ」

アイスは声を出して泣いた。


その絶叫に近い声は、彼女の心からの声のように思えた。


大きな声が、耳に響いて、そして、心に響くよう。

長い間、その声は続いた。

しばらく泣きつづけたアイスは、しゃくりをあげながら、
「もう、だいじょぶ」
と、私を見た。

その顔には憑き物が落ちたように見え、そして少し笑顔になっていた。
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