君に咲く花火
「ウソ、ウソでしょ・・・」

腰の痛みなのか、恐怖からなのか、這いずるように床を逃げる。

あの目は、どう見ても本気だ。
ぶれることなくゆっくり私を捕えようと近づく。

アイスが突然なにかを叫んで、ウアンの背中に捕まる。

振りほどこうと、もがくウアン。

ふたりがもみ合うようにしているのを、ただただ呆然と見ているしかできない。

その時、床になにかが落ちるのを見た。

雨・・・?

大粒の雨がコンクリートに染みをつくっている。


いや、違う・・・。

「血・・・」

ボタボタと、大きな跡が次々についてゆく。

アイスの体がウアンから離れて、スローモーションのように床に落ちた。

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