君に咲く花火
ソムサックはベッドに腰かけると、
「大丈夫」
とうなずいた。

「彼女はすぐに病院に運ばれて、命に別状はないって。運よく臓器に刃があたらなかったらしい」

「そう・・・よかった」

ホッと胸をなでおろした。

「よかった、じゃないわよ!」

突然、お姉ちゃんが大声を出してキレたから、思いっきり驚く。

「あんたね! いったいどういうつもりなのよ! みんなに心配かけて、お姉ちゃんもぞむざっぐぼびんばびんばいびだ」

「果凛、怒らない。実羽ちゃんが無事に見つかったんだから」

ソムサックがまた泣き出したお姉ちゃんの肩に手を置いた。

「だっでぇだっでぇ」

「ごめんね、お姉ちゃん・・・」
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