君に咲く花火
「お姉ちゃん・・・」

「ん?」

涙を拭きながら、お姉ちゃんが私を見る。

「ソムサック」

首をかしげて私を見るソムサック。

膝の上で両手をギュッと握りしめた。

「私、ソムチャイに会いたい。会って、言わなくちゃいけないことがあるの」

ふたりにどう思われてもかまわなかった。
今は、今はただ、

ソムチャイに会いたかった。

「実羽、どうしたの・・・?」

不思議そうな顔をするお姉ちゃんに、ソムサックが、
「いいんだ」
とやさしく声をかけてから、もう一度私を見た。

「802号室。実羽ちゃん、行っておいで」

「・・・うん。ありがと」
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