君に咲く花火
「ごめんなさい!」

あわてて席から降りようとするが、シートベルトを外していなかったため転びそうになった。

ああ、映画を見るのが楽しみだったのに!
機内食も食べてないじゃん。

リュックを背負って外に出ると、もう誰の姿もそこにはなかった。

ガーン。

どうしよう・・・。

いくら誰にでも聞くことができる私でも、外国語はわからないし・・・。

「まいったな・・・」
そうつぶやいていると、
「あ、また会ったな」
後ろから声をかけられた。

「あ、ああ!」

思わず声を出して駆け寄る。
日本の空港で案内してくれた女性だった。

またしても会えるなんて、なんて幸運。
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