君に咲く花火
なおも覆いかぶさろうとするソムサックの腕を私は引っ張った。

「離すよ、実羽ちゃん! こいつは、こいつは!」

「いいから、まだあるの。まだ、続きがあるの」

そう言ってソムサックを押しとどめると、私は倒れている渡辺社長のそばにかがんだ。

「・・・いつからなの?」

「…なにが?」

「いつから、お姉ちゃんのことを好きになったの?」

「・・・」

後ろに立っているみんなが驚いた顔をしているのが伝わった。
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