君に咲く花火
「見よう」

手をひいて窓辺に連れて行ってくれた。
8階という高さだからか、異様に近い。

両手を窓にあてて大きな音と花火を見る。

次から次へと打ち上げられ、小玉だけど迫力がすごい。

「きれい・・・」

「ふふ」

ソムチャイが笑い声をこぼした。

「え、変なこと言った?」

「花火は悲しいよ」

「え、なんでなんで? ソムチャイ、花火キライなの?」

こんなにキレイないのにどうして?
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