君に咲く花火
「そうだよ、今度はソムチャイが来る番だからね」

そう、離れていてもお互いに行き来すればいいじゃん。

そうすれば、さみしさも少しはマシになるし!

ソムチャイはうなずくと、
「約束」
そう言った。

「うん、約束」

時間は迫ってきている。
受付で待っているお姉ちゃんとソムサックはそろそろ焦っているかも。

スカートのポケットから、私は紙袋を取り出した。

「ソムサック、手を出して」

「こう?」

差し出された右手に、紙袋の中身を出した。


クリスタルのゾウが2匹。
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