君に咲く花火
夜のサムイ空港は、たくさんの外国人でにぎわっていた。

どの顔も真っ黒に日焼けしていて、疲れた顔をしているけどすがすがしい。

これからバンコクで乗り継いで、日本へ帰る。

カウンターでスーツケースを預けてチェックインをすると、後ろではすでにお姉ちゃんが泣いていた。

「もう、また泣いてるし・・・」

「だ、だっでぇ。がばいいいぼうどがびばぶなっでびばぶ」

「はいはい、これでふいて」

ソムサックが、タオルを渡す。

「ハンカチじゃなくて正解」

そう言ってウィンクしてくるので、大笑いしてしまった。
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