君に咲く花火
「昨日、サムイ島の警察からお前に電話があった」

短く言ってお父さんはこれみよがしにため息をついた。

「え・・・なんでだろうねぇ、ハハ・・・」

「ごまかすんじゃない!」

大きな声に縮こまる。

「通訳の人の日本語がよくわからなかったが、お前がなにをしてたのかはだいたいわかった」

肩をすぼめて小さくなっている私に、お父さんは2度目のため息をつく。

「全部、話しなさい」

お母さんが、冷たいお茶の入ったグラスをふたつ置くと、
「・・・ごめんね」
と小さく言った。

これは覚悟を決めるしかない。

私はお茶を一気飲みした。
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