君に咲く花火
ほんっと、お姉ちゃんにそっくりだわ。

「お父さん、私ね、お姉ちゃんに会うまでひょっとしたら戻ってきてくれるんじゃないか、って思ってたの。でも、違ったの」

「なにがっ!?」

吐き捨てるように言った。

「お姉ちゃん、キラキラしてた。タイのサムイ島ってとこで、輝いてた。あの国がお姉ちゃんをそうしたの。あの島がお姉ちゃんにはぴったり合ってると思うの。それは婚約者のソムサックも同じ」

お父さんは、信じられないような顔をして私をぽかんとして見ていた。

「ね、お父さん。お姉ちゃんの話も聞いてあげて。ソムサックに会えば、お父さんもきっと気に入るはずだから」
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