君に咲く花火
「お父さん?」

寝室の前で声をかけてみる。

「・・・」

「お父さん、入っていい?」

返事がないのを了解の合図と理解してドアを開けた。

真っ暗な部屋で、ベッドに腰かけている。

・・・まったく、もう。

黙ってそばに行き、隣に座った。

なんて話せばいいのか言葉を探していると、
「・・・間違いだったんだ」
と、おとうさんが小さくうめくように言った。
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