君に咲く花火
「お母さんが今からお姉ちゃんに文句言ってあげるから! お父さんにバレたら今度こそ終わりなんだから」

なにが終わりなのかわからないけど、お母さんはあっという間に部屋から出て行ってしまった。

ドタドタと階段を駆け下りる音が聞こえた。

「・・・」

もう一度、エアメールを読み返した。

そう・・・この手紙からぜんぶ始まったんだな・・・。

もう、ずいぶん前のことのように感じる。

胸が、痛い。

ソムチャイにどんな顔をして会えばいいんだろう・・・。

傷つくのが怖くて、もうLINEを送るのもやめてからしばらく経つ。
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