君に咲く花火
ベッドにあおむけになる。

そのままぼんやりと、サムイ島で過ごした日々を思い出した。

少しずつ色あせてゆく記憶のなかにおいても、絶対に忘れないもの。

ソムチャイと一緒にいた景色だけは、まだ鮮やかに輝いている。


「・・・お母さん、どうしたんだろう?」

あれから、ずいぶん時間が過ぎている。

もう、お姉ちゃんに話はしたのかな?
それともケンカの最中かも。

ノロノロとベッドから起き上がると、私はリビングへ。

ドアを開けると、ソファに座っていたお母さんが私を見た。

お父さんが向かいに座っている。
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