君に咲く花火

3

サムイ島は、まだ夏だった。

空港に降り立った私は、そのまぶしさに目を細めた。

こんなに早く、またここに来ることができるなんて驚きの展開に思考がついていってない。

まとわりつく熱気が肌をすでに焼いているみたい。

「実羽ちゃん」

声に振り向くと、ソムサックが立っていた。

ドキンとした。

「ソムサック・・・」

なにか言わなくちゃ、って思うけど・・・。
ソムチャイから話は聞いているかもしれない。


なんだか、急にここに来たことを後悔し出していた。
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