君に咲く花火
しばらくおかしそうにソムチャイは笑っていたかと思うと、急に苦しそうにセキをした。

「大丈夫!?」

「・・・うん」

ゼィゼィと息をしながらも、手を口にあてて目を閉じた。

・・・やっぱり病気なんだ。


“あと数日”


その言葉が思い出され、私まで息苦しい。

ようやく落ち着いたソムチャイが、天井に視線を向けた。

「ごめん・・・LINE」

「平気だよ」

「ウソ。だって、返事できなかった」

あの日々が思い出されて、苦しくなった。

でも、違うんだ。
ソムチャイも苦しかったんだ。

返事をしたくてもできないほど、それほど具合が悪かったんだ・・・。
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