君に咲く花火
「やめてよ、まだまだあるんだから。そうだ、花火大会どうすんの? 3万発がウソじゃないって証明させてよね」

「それはウソだよ」

おかしそうにソムチャイが言った。


・・・そうだ。


こういう会話。
私たちはいつも、こういう会話をしていたんだ。

今できるのが、これしかないのなら。

それをやらなくちゃ・・・。

ようやく私は笑えた。


あっという間に夜が訪れ、ソムチャイは静かに寝息をたてはじめた。


起こさないように廊下に出た私は、ソムサックとお姉ちゃんが座っている長椅子の横に座る。

しばらく沈黙が続いた。
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