君に咲く花火
・・・胸の奥からなにか温かいものがこみあげてきた。

どんどん体を駆け上がる。

息が苦しくなり、鼻の周りが熱くなる。


そしてそれは、すぐに頬にこぼれた。

「実羽、あなた・・・泣いてるの?」

光に照らされた私を見て、お姉ちゃんが驚いた顔をした。

「う・・・」

言葉にならない。

自分でも信じられなかったが、こみあげてくる感情が次々に涙になってゆく。


おさえきれない。
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