君に咲く花火

結婚式はサムイ島でおこなわれた。

ソムサックには親族は少ないらしく、メオ一家が参列している。


うちは、私とお母さんと・・・。

「ねぇ」

「・・・なんだ」

私はこれみよがしにため息をついた。


「一応結婚式なんだからさ。少しは愛想笑いでもいいからしてよ」

「ふん、もともとこんな顔だ」

そう言うと、お父さんはビールを一気飲みした。

・・・まったく。

ほんっと、子供なんだから。
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