君に咲く花火
「この間、ビッグブッダの話してくれたでしょ? あの時からヘンだなーって思ってたんだよね。だって、ビッグブッダの後ろにある龍はつい最近つけられたものなんだよ」

そう・・・ソムチャイが教えてくれたんだ。

「グ・・・」

ヘンな声を出してお父さんが返答につまった。

「お父さんは、お姉ちゃんが心配でサムイ島にも来た。そしたらお姉ちゃんはスーパーでレジなんてしてた。そりゃ心配よね?」

「だ、だからって」

「昔の部下だった渡辺さんに事情を話して、会社を興そうとしたときにお姉ちゃんをスカウトしてもらった、違う? お姉ちゃんを近くで見守ってほしかったんだよね?」
< 383 / 388 >

この作品をシェア

pagetop