君に咲く花火
ソムサックの席の横には、ソムチャイの写真が飾られていた。


心から楽しそうな笑顔のソムチャイ。


その笑顔を見ているだけで、まだ視界はゆるむ。


私の夏は、まだあの中にいる。


「すっかり涙もろくなっちゃった」


バッグからゾウのアクセサリーを取り出すと、手のひらに置く。


キラキラと光っているそれは、私と彼の夏の記憶。




あまりにキレイで美しく、そして、はかない。
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